女の保健体育

女性向けAV「SILK LABO」プロデューサー・牧野江里さんによる女性がもっと豊かに性を楽しむための親も学校も教えてくれない保健体育の授業!

バックナンバー

スタート

37時限目

奥深き♡
女子エロの世界①

毎日毎日、エロのことに思いを巡らせている私。
そんな私にだって、エロのスランプに陥ることがあります。

私の職場は(本来は)普通のAVを作っている会社です。
なので、男性のいろんなエロい欲望が、とても身近にある暮らしをさせていただいております。

ときどき、男性陣が新作の企画会議をしているときに耳を傾けてみることがあるのですが、男のエロの妄想って本当に訳わからんくらいジャンル細けえ!!!!!
普通の女優もの、痴女、レイプ、ぶっかけ、寝取られ、痴漢、素人、バラエティ、オナニー、ハメ撮り、マジメ、主観……
さらに細分化するとフェチの領域になり、お尻、おっぱい、陰毛、アナル、足……などなど、その豊かさといったらハイパーエロリッチ!!
男どもは恵まれてやがる…(怒)。


女子エロの世界はなかなかムズい!
しかし、私が日々思いめぐらせているのは女子のためのエロ
男性が今まで産んできたエロジャンルを、そのまま逆転したら通用するか、っていうと、絶対そんなに単純じゃない!!!!と思うのです。

SILKがまだ始まったばかりの頃、「そんなに男優さんが人気出るのなら、逆ハメ撮りはどうなの?」という議論が持ち上がりました。
正直、誰も見たことないです。
ハメている男の人を、ハメられてる女の人が撮るだなんて…。
ちょっと想像してみるものの、うーんイマイチよくわからない…。
セックスしている男の人を、お仕事で客観で見てきてはいますが、主観となると…。
だってプライベートでセックスするときだって、ずっと相手を見ることって、女子はそんなになくないですか?? 
よもやプライベートでは消灯派なので、そこまでじっくりはっきり見たことなんてないのです。
「発射の瞬間だけ見たい!」とかはありますけれどもねえ。

そんなこんなで「議論していてもラチがあかないね」っということになり、ものは試しに「テストで撮ってみよう!」ということになったのです。


恐怖の逆ハメ撮りムーさんごめん!
そのテストなのですが…なんと!
『東京恋愛模様』の撮影のあと、ムーミンくんで試し撮りをしたのです!!

「ハメられ撮り」といっても、女優さんでそこまでできる人はほぼいないので、お二人には普通にエッチしてもらって、カメラの撮り方で「ハメられ撮ってるふうに見せる」、という手法をとりました。
もち、ムーミン君には 「カメラを彼女だと思って見てね!」という難題を与えました…。
すると、いろいろな問題点が出てきました…。
我々は普段、女優さんのハメ撮りモノをよく見てきていたわけですが、基本的に女優さんって「攻められる側」ですよね。
なので、要は「受け身な被写体」を撮ることになるのです。

女のコはエッチのとき、 ビクンと身体が反応したり、アンアンあえいだり、それはそれはさまざまな反応を見せます。
ところが男のコはエッチのとき、基本的には「攻める側」。
お乳を愛撫をしたりしている姿を女のコ目線で撮ると、なんかよく見えない!!
あと、せっかく女子のほうを、愛のこもった目で見てくれていても、(ハメられ撮りの場合は)本物の目線じゃないので、「なんかこっち見てる!! プギャー!!」みたいな、複雑な気持ちになる…。
あれ?
なんか、モニター見てるより、現場を客観で見てるほうが楽しいぞ…嫌な予感…。


そしていよいよ挿入!
問題はここからです。
まだ、愛撫はいいのです。
いろいろ動きがあるから。
でも挿入したら、ピストンするざましょ!?
そしてピストンすると、ある程度、一定のリズムざましょ!?!?
そして男子は「アンアン」あえいだりしないざましょ?!?!(あえがれたらそれはそれでとっても不愉快な気もしますし…)
あー、なんて単調なんだ————!!!!!
もっとほか見せろ!!
って気持ちになっていくのがわかるのです。

この瞬間「ハメられ撮りの限界」というか、「女子にはあんまり向いていないんだなあ」というのがわかりました。
そもそもハメ撮りのよさって、生っぽい臨場感と、自分がしてるみたいな バーチャルさなのです。
それって実はリアクション少ないと楽しくないんだなあ、と。普通のハメ撮りだって、女子の反応が悪いとおもしろくないですもの。
ああ、そうか、そうなのか…と、ハメられ撮りを撮ってみて、ハメ撮りのよさを知ったのでした。
(つづく)

ハメられ撮りの巻
エンド