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第81回 薬物依存
タイトル大麻や覚醒剤といった違法のものから、ニコチンやアルコールなど、依存性の高い嗜好品まで、今回は「依存へのプロセス」や「治療法」に触れてみました。

監修/榎本稔(榎本クリニック)
イラスト/トシダナルホ

薬物依存とは

薬物とは、中枢神経系を興奮させたり、逆に抑制させるなど人間の精神状態を変えてしまう作用を持つもののことをいいます。
続けて使用することで耐性(薬物などに対する抵抗力)がつき、それまでと同じ効果を求めるために使用回数や量が日ごとに増えていき、そのうちコントロール不能な状態となります。
このように連続的に使用する状態を「薬物依存」といいます。

依存状態になると、摂取を止めると苦しい離脱症状や禁断症状が表れるため、体内からクスリを切らさないように摂取を重ねる悪循環から依存に陥ってしまいます。

症状

薬物を常用するようになると、精神面、身体面にあらゆる異常が表れてきます。

代表的な症状
◎急性中毒症状
◎薬物探索行動
◎禁断症状
◎身体障害
◎精神障害
など

診断

本人や家族から薬物の使用状況を正確に聞くことが可能であれば、すぐに治療が始められます。
その際、肝臓機能障害や末梢神経障害といった薬物による身体的な合併症などの検査も行います。

治療法

症状にもよりますが、薬物から隔離、禁断するために精神科や依存症の専門病院への入院が必要となります。

薬物依存へのプロセス

平均的なパターンとしてのプロセスをたどってみると……

◎ 初めての使用
きっかけは、好奇心や、彼氏や友人から勧められてというケースも多い。
女子の場合は、「これ使うと簡単に痩せるよ」から始まることも。

◎ 2度目の使用
友人の家に行ったらたまたまあった、ホームパーティのときにみんなで……といった、自ら欲してという状況ではなく、なんとなく使っちゃったという感覚。

◎ 3度目以降
このあたりから、自ら手に入れたいという欲望が高まってくる。
休日だけ、忙しかった日の夜など、自分で決めて使用するようになると、ストックが必要になる。
これ以後は転がり落ちるように常習的に。
すでにこの段階では、自力で止めることはできない状態。

◎ 乱用から依存症へ
習慣的に使用するようになると、量も回数も増えるので出費もかさむため、周囲にうそをついて借金をしたり、エスカレートすると恐喝や売春をして薬物のお金をつくることも。
回復するには、専門の病院や施設への入院が必要。

お答え

毎晩、家で一人でお酒を飲むのが日課です。
アルコールを飲まないと落ち着かないので、依存症への不安もあります。
今、注意すべきことは?
(25 歳・サービス業)

新ガールズクリニック

女性は男性に比べてアルコール代謝能力が低いので(量にもよりますが)、ちょっと心配ですね。
アルコール依存症の入り口に差しかかっていると思われますので、早めにアルコール専門の医療機関を受診することをおすすめします。

榎本 稔

心療内科医
榎本 稔

1月11日生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、医学博士。日本外来精神医療学会理事長。成増厚生病院副院長、東京工業大学保健管理センター教授を経て、榎本クリニックを開業。 榎本クリニック/電話 03(3982)5321