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第49回 鉄欠乏性貧血
タイトル女のコの会話の中で、貧血はよく話題に上ります。
でも貧血について、その正体をどこまで知っているかというと、実はよくわかっていない面もあったりします。
そこで今回は、貧血の中でもほぼ9割を占め、女性に多く見られる「鉄欠乏性貧血」を取り上げてみました。

監修/伊藤都(伊藤メディカルクリニック)
イラスト/トシダナルホ

貧血の主な原因

ひと口に貧血といっても、この鉄欠乏性貧血のほかに、悪性貧血、巨赤芽球性貧血、溶血性貧血など、いくつか種類があります。

◎赤血球を作る成分(鉄分など)が不足することが原因で起こるもの
鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血など

◎赤血球が作られる過程に異常があって発症するもの
再生不良性貧血など

◎赤血球自体が壊れやすいために起こるもの
溶血性貧血

鉄欠乏性貧血って、
どんな症状なの?

ここでは鉄欠乏性貧血について、掘り下げていきましょう。
その名の通り、体内の鉄分が欠乏することによって起こるのが「鉄欠乏性貧血」です。
鉄分は、赤血球内のヘモグロビンの主成分ですから、体内の鉄が不足するとヘモグロビンを作ることができなくなり、貧血を引き起こすことになるのです。
特に女性は、毎月月経による出血があるため、貧血になりやすいといわれています。

●症状
顔色が悪い、疲れやすい、息切れがする、めまいや頭痛がする、慢性的な肩こり、爪がデコボコしている、身体が冷えやすい、風邪をひきやすい、食べ物が飲み込みにくいなど

●診断
上記のような症状があったら、まずは内科を受診し、血液検査をしてもらいましょう。
赤血球の大きさが小さくなり、赤血球内のヘモグロビン値が減少するなど、調べればすぐに鉄欠乏性貧血と判明するので、つらい症状がある場合は放置せずに専門医に相談しましょう。

どうやって治療すればいい?

●治療法
この場合、不足している鉄分を補給することで改善に向かいます。
鉄剤の服用や注射、あるいは鉄分のサプリメントなどを利用することもあります。

●予防法
はっきりとした病名が出るほど症状は悪化していないけれど、貧血予備軍のような状態の人も少なくないと思われます。
それ以上悪化させないためには、まず食生活を見直すことが大切です。
できるだけ三食、きちんと取るように心がけ、肉、魚、野菜、豆類、貝類などを意識して摂取することも貧血予防に効果があります。

【鉄分を多く含む食材】
豚レバー、鶏レバー、牛レバー、アサリ、干しひじき、パセリ、小松菜、インゲン、黒豆、豆腐などの大豆製品など

こんな生活習慣の人は要注意!
貧血を招く食習慣を改善しよう

□朝食は食べない
□ランチを抜くことも
□夕食はアルコール中心
□野菜をあまり食べない
□レトルト食品に頼りがち
□ダイエットをよくする

お答え

仕事が忙しく、食事を抜くことが増えたので、これを機会にダイエットも始めました。
最近、頻繁にめまいを起こしますが、これって貧血でしょうか?

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鉄欠乏性貧血の可能性が高いと思われます。
むやみに食事を抜くのは、身体全体に悪影響を及ぼし、将来的にもダメージを残すこともあります。
どうしても食事が取れないようなら、サプリメントで補給するなど、すぐに何らかの手を打つべきです。

伊藤 都

内科医
伊藤 都

伊藤メディカルクリニック院長。医学博士。平成7年、杏林大学医学部を卒業後、平成15年には女性の健康と美しさ、若々しさを保つことを目的に同クリニックを開院。女性ならではの細やかな配慮と気さくな応対は、同世代の女性たちからも評判が高い。