新ガールズクリニック

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第36回 妊娠のしくみ
タイトルいつかは子供を産んでママになることを夢みる女性も多いはず。
「妊娠」は女性だけが経験できる大きなよろこびであるもの。
いつか来るかもしれない日に備えて正しい知識を身につけましょう。

監修/赤枝恒雄(赤枝六本木診療所)
イラスト/トシダナルホ

奇跡の瞬間!?
妊娠が成立するまで

妊娠は、さまざまな要素がすべて一致したときに起こります。
男性の射精1回分の精液に含まれる精子の数は数億個。
その中のたった一つが子宮の卵管膨大部で卵子と合わさり、受精卵が誕生します。
その後、受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立。
そして、子宮内膜から栄養吸収しながら、胎児へと成長していくのです。

生理のストップがサイン
妊娠の初期症状

初期症状として、もっともわかりやすいのは生理のストップ。
予定日より2週間を過ぎても生理が来ない場合は妊娠の可能性を疑いましょう。
また、以下のような身体症状が表れたり、怒りっぽくなる、泣きたくなるなど気持ちが不安定になることも。

おもな身体症状
■生理が止まる
■微熱
■食欲の増減
■眠気、だるさ
■便秘
■吐き気
■不正出血
■胸のハリなど

●まずは検査薬でチェックを●
生理が遅れたら、まずは市販の妊娠検査薬で確認を。
正しい結果を表すためにも、セックスのあった日から2週間後を目安に使用して。
朝一番の尿でチェックし、陽性反応が出た場合は早めに産婦人科へ

●つわりのときの食事●
つわりが始まると思うように食事が摂れない、という悩みが出でくるもの。
ビタミンB群を含む食品(緑黄色野菜、レバー、青魚など)がつわり軽減に効果的だが、嗜好が変わる時期なので、食べたいと思うものを少しずつ食べることが大切

●人工妊娠中絶について
 妊娠をしても、どうしても産むことができないという場合、人工妊娠中絶という選択肢もあります。
妊娠初期の中絶手術は短時間で終わるため、簡単にとらえる人もいますが、身体への負担は多大。
妊娠12週を過ぎた頃には手術もかなり難しくなり、22週以降は行うことができません。
また、外から見えない場所を探るため、手術が失敗しないとも限りません。
中絶手術に苦しむのは女性。
望まない妊娠を避けるためは避妊を徹底することが大切です。

妊娠による身体の変化を知ろう

出産に向けて10ヵ月の間、妊婦の身体は徐々に変化します。
胎児に影響があることは避け、母体を大切に保ちましょう。

●初期(0~15週)
異物反応により子宮が収縮して、痛みが起こる。
この時期は流産しやすいので、激しい運動や重いものを持つなど腹圧がかかるような行為は×。
つわりが始まり、食欲が増減したり嗜好が変わることも。
揚げ物やスパイス系の食べ物を避け、少量ずつ何回も食事を摂ると◯。

●中期(16~27週)
おなかがのふくらみが目立ち始める。
身体が安定するため、旅行や軽いスポーツもできるように。

●後期(28~35週)
おなかがせり出し、圧迫される。
早産の可能性があるため、初期のように安静にすること。
つわりのような症状が表れることも。

●臨月(36~39週)
子宮口や膣がやわらかくなり、おなかの張りや陣痛を感じ始める。

いつでも出産ができる状態に。

●胎児への影響が考えられるもの●
・セックス
精子には子宮を収縮される物質が含まれているので、挿入中の射精は避けて。
行為自体に問題はないが、おなかに負担を与えないように

・薬
胎児への副作用が考えられるため、妊娠がわかったら薬の服用は避けること。
どうしても服用が必要な場合は事前に医師に相談を

・飲酒
大量の飲酒は胎児の成長阻害や知的障害などの原因になることも。
ただし、絶対にダメというわけではない。
飲みたい場合は軽く週2回程度に抑えて

・タバコ
胎児への害は非常に強く、特に心臓に大きな影響を及ぼす。
生まれてきた子供の突然死などの原因にもなるため、妊娠中のタバコは絶対に×!

■妊娠中に気になる体重の増加
普通体形の人は8~12kg、太りぎみの人は5kg程度の増加を目安に。
過度な体重の増加は、難産や妊娠中毒症の原因になることも。
中期に入ったらマメに身体を動かすなどして上手にコントロールを

赤ちゃんに愛情を伝えよう!

おなかの中の赤ちゃんとコミュニケーションを取るために行うのが胎教。
おなかに向かってやさしく話しかけるだけでも、胎児に好影響を与えるといわれています。
音楽CDや絵本といった胎教グッズも数多くありますが、一生懸命になり過ぎるあまり、イライラしたり無理に続けるのでは逆効果。
お母さんがリラックスして楽しみながら取り組めるものを選びましょう。
何かを教えるのではなく、赤ちゃんに愛情を伝えることが本当の胎教です。

お答え

外陰部にかゆみが出て、カスのようなカッテージチーズ状のおりものがあります。
これはなにかの病気ですか?

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妊娠中は、黄体ホルモンの分泌から腸の動きが鈍くなったり、子宮が腸を圧迫することで便秘になりがちです。
便秘を解消するには、食物繊維を多く含む食品や水分をたくさん摂るように心掛けましょう。
もし異常なおなかの張りが見られるような場合は、早めに産婦人科医に相談してください。

赤枝 恒雄

産婦人科医
赤枝 恒雄

1944年生まれ。東京医科大学卒、医学博士。1977年、赤枝六本木診療所を開業。六本木での「街角健康相談室」やラジオパーソナリティなど、活動は多岐にわたる。女のコの身体の悩みをQ&A方式でまとめた『これってヘン?』(小社刊)が好評発売中。