聞き書き彼女たちのセックス

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CASE 02-1/4
筒井真理子(24歳)
エステティシャン 埼玉県出身
セックスを通して、新しい自分を発見したい
 「ええー、あたしの経験なんて、ほんと、フツーですよお。記事になるのかなあ」

 言って真理ちゃんはくすくす、と笑う。丸顔だけどきゃしゃな顎。背は150センチくらいだろうか。骨が細いのだろう、ほっそりとしていて少女っぽさが抜けない感じ。髪はショートで、エステティシャンという職業にふさわしく清潔感がある。笑ってしょっちゅう三日月型になる小さめの目は、人なつこい光を宿らせていた。無防備な小動物。なんとなくリスのようだと私は思った。 それでも真理ちゃんはとつとつと話し始めてくれた。「恥ずかしーい」「ふつー、ふつー」と言いながら。彼女は埼玉県で生まれている。就職するまでずっと農家を営む親と一緒で、その土地を離れたことがない。

 「埼玉だったら、ほとんど東京じゃない?」そう言ったら、「とんでもない」と真理ちゃんは言う。

 「埼玉ってすごく広いんですよ。あたしんとこなんて、ほとんど群馬だから、もーすごい田舎。都心まで2時間近くかかるようなとこで。だからたまーにしか遊びには行けなかった。あとは山と田んぼしかないとこで過ごして」
■著者コメント
みんな、未明のページに遊びに来てくれてありがとう。このページではみんなと同じ「フツーの女の子」のセックス体験を、大げさに書くことなく、ありのままに伝えていきたいと思います。
ていうのもさ、女の子のセックスに関する記事って、女の子雑誌だとどーしてもファンシーになっちゃうし、おっさん雑誌だと馬鹿みたいにねじ曲げられて過激に作られちゃうじゃない。でもさ、私たちのセックスって、マスコミがあおるみたいにただ過激だったり、お金目当てだったりするわけじゃないよね。私たち女の子は、たとえ風俗で働いてたり、時にはすごくエッチになったりしても、自分のセックスに「切実さ」と「真剣さ」を抱えてるはずなんだ。
そのへんを私は描きたかったし、ここに登場してくれた女の子たちも、真剣に自分のセックスを語ってくれました。きっと、みんなに共感する部分があると思うので、ぜひぜひ楽しみに読んでください。