小室友里の聞かせてプリーズ

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第39回 はるきさん(24)
生年月日:1982年6月24日
年齢:24
星座:双子座
趣味:お酒を飲む
お仕事歴:1年
出勤:4、5日/週
月収:70~80万/月
所属店舗:川崎リップグロス
http://www.lip-g.com/
「明るく楽しく稼いでください。当店ならそれが可能です。スタッフ一丸となってあなたをバックアップします。ペナルティやノルマもありません!」

妖艶な個室高級サウナ嬢に圧倒されたキャバ時代

●お仕事を始めたきっかけは?
「お酒が好きだったのでキャバクラに勤めていたんですけど、飲み過ぎで身体を壊してしまって。昼の仕事もしたんですけど正直、拘束時間の割には収入がよくないし、私朝がすごく弱いんです。太陽の光を浴びながら出勤すると具合悪くなっちゃって(笑)。なんでもみんな一緒に、っていうあの雰囲気も苦手。それで風俗の求人を見かけて、お給料よかったんでダメ元で受けてみたんです」

●ダメ元?
「スタイルも顔もよくないしテクもないから(笑)。それと、キャバやってたときに会った吉原でも1位2位っていう女の人の印象が強くて……。お客さんで吉原の個室高級サウナの店長さんが来てて、紹介してもらったんです。その人が妖艶なオーラがあって圧倒されたんですよね。そのイメージがあったんで風俗やる人はみんなこうなんだって思ってたから。最初のお店がギャル系のお店っていうのもあって、私の年齢的にも難しいかなって」

●風俗って身体を使うサービスだけど、そういう部分はどう思ってた?
「実は以前、大人のパーティに誘われて行ったことがあって。なので脱ぐこととか知らない人とキスしたりすることは全然抵抗なかったんです。逆に興味があったかな。お金もらって(エッチなこと)するのってどんな感じだろうって。吉原にも講習だけは受けに行ったんですよ」

●でも吉原には入らなかったのね。
「講習だけでもうヘトヘト。本当に体力勝負ですね。吉原の店長にいくら稼ぎたいか聞かれて『50万』って言ったら、そんな気持ちで吉原に来るな、最低でも100万稼ぐくらいの気持ちでやれって。それでちょっと考えちゃった」

●初めてお客さんに付いたときはどんな気持ちだった?
「それがね、一人目のお客さんにソッコーでチェンジくらって。次があるからって行った先でもチェンジされて(笑)。軽く傷つきますよ。で、3度目でようやくOKもらえてようやくホッとしました。私でいいの?ありがとう~!って(笑)」

●楽しんでプレイできたんだね。

自分を必要としてくれる人がいるのって、めちゃくちゃうれしい!

●水商売に戻ろうとは思わなかった?
「風俗始めてからキャバに戻ろうと思ったことないです。いい経験にはなったとは思うけど、仕事のために飲まなきゃいけないとか、毎日営業かけなきゃいけないとか、イヤな部分しか思い出せなくて……。それにキャバだと次々にお客さんが変わるし、指名で来てくれてもずっと付けるわけじゃない。デリなら時間内ずっと話していられるでしょ?自分を必要としてくれてる人がいるってすごくうれしい。お客さんにとっては一時の相手なだけかもしれないけど『ありがとう』『気持ちよかった』って言われるだけでめちゃくちゃうれしいんです。もしイヤなことされても連絡すればドライバーがすぐ来てくれるから」

●お仕事を楽しくやってるのって、やっぱりお客さんにも伝わるよね。
「そうそう。このコでよかったって思ってほしいし、指名にもつなげたいし、それには自分も楽しく仕事することかなって思いますね」

●風俗やって一番よかったことはなに?
「指名が多かったとか、話が盛り上がったとか、日々一番いいことはありますね。お酒好きなお客さんが長くとってくれて、なおかつお酒も用意してくれて、一緒に飲みましょうみたいな。そういうのすごく楽しい!240分の間にビール飲んでワイン飲んで、おつまみ食べてシャンパン飲んで。事務所帰ってきてからもさらにワイン飲んで、もうベロンベロン。社長も相当呆れてたみたい(苦笑)」

●思ったんだけど、はるきさん自身が風俗の仕事をしてるんです、って感じがないところが、お客さんに受け入れられてるんじゃないのかな?
「すごいかわいがられてると思いますよ。スタッフにも『はるきさんはお客さんからいろんなものをもらってくる』って。ビールやお茶やら2000円する栄養ドリングとか。うれしいし、ありがたいですよね。お酒を一緒に飲んでくれればそれでいいよ、っていうお客さんもいますし。私がスカートで脚広げてると『パンツ見えてる!』って怒られるんです(笑)」

●そんなはるきさんでも仕事しててイヤだって思ったことはあるのかな?
「あからさまに相性合わないとか。もちろんそういう目的だから当たり前なんだけど、すぐプレイに入ろうとするとか。いろんなことを話したいじゃないですか。一回キレちゃったことがあって、シャワーを浴びてきたお客様が座椅子に座って『お前は金で買われてる女なんだから、客の言うことは聞け』って言うの。だから『金で買われてる女にしゃぶられてどこがうれしいの?』。そこからは水掛け論ですよ」

●大人同士、そういうことも理解したうえでの関係だもんね。
「言い返しちゃった私も悪いんですけど。でも言っちゃいけないこともあると思うんです」

本気で愛した彼との関係は、後々トラウマに……

●健康面で気をつけていることはある?
「気をつけているっていうか、今安定剤を飲んでるんです。うつとパニック症候群を併発しちゃってて。もう大丈夫なんですけど勝手にやめられないから」

●発病の原因って、なにかあったのかな?
「前にやってた昼間の仕事がかなりキツくて。朝7時に家を出て帰りは終電。上司ともうまくいかないし、給料安いし。だけど見栄っ張りなところがあって肩書きがむちゃくちゃよかったんです。表参道で広告代理店の専属グラフィックデザイナーやってるなんてステイタスでしょ!それを言いたいがために辞められなかった(笑)。でもある頃から会社へ行こうとするとめまいがして、駅を降りると吐き気がして。先輩に相談したら心療内科へ行ってみたら?ってすすめられたんです。軽いうつと診断されてからは出たり治ったりしてたんですけど、キャバのときにお客さんにマジ惚れしちゃったことがあって」

●お付き合いをしてたのね。
「お店にも来てくれて帰りは一緒に帰って。結婚を考えてるとも言ってたのに、翌年、突然連絡が取れなくなっちゃったんです。生きてるのか死んでるのかもわからなくて。でも共通の友人の電話には出るらしいんです。その人の話だと大阪に仕事に行くって。黙って行かれてしまったことが悲しくて悲しくてパニックになっちゃったんです」

●彼とはそれっきり?
「2ヵ月後に一度だけメールが来ました。今はしっかり仕事がしたいからって。返信したけど結局その返事もなくて、それでお別れになっちゃいました。ちゃんと話してくれたらダダこねることもなかったと思うんだけど、話してもわかってもらえない相手だと感じたから、そういう別れ方を選んだのかなって。まわりの人は時間が解決してくれるからって言うけど……」

●当人には『今』だよね。
「確かに解決してくれましたけど(笑)。やっぱりトラウマになってますね。またいなくなるんじゃないかって。そのあと何人かともお付き合いしましたけど、またいなくなるかもしれないってどこかで思ってますね。同棲するときは部屋の名義は彼にするとか。それならすぐいなくなったりはできないし。結婚や子供の話をしてくれる人もいたけど、結婚なら入籍届けを出すまでは安心できないし、子供のことを話すと顔が引きつっちゃう」

●しばらく恋愛はお預けかな?
「気になる人はいるんです。大きな夢を持っている人で、将来はアメリカに渡ってバイクのお店を出したいんだって。その人といると、最近自分が『夢』なんて持ってなかったなって。そういうのが気持ちいいんですよね」

●ところで、お仕事はいつまで続けようかなって考えている?
「これはしっかり考えないといけないと思うんですけど、ある程度のお金を貯めたらっていうのと、病気が完治したら上がろうかなと。今病気って本当に無理しちゃいけないんです。私だったら昼間の仕事をすることが耐えられないから、そういう無理はしない。人間のリズムからしたら逆らってるんですけど、私にはすごく合ってる」

●昼の生活に戻りたい気持ちはあるのかな?
「将来専業主婦になりたいし子供はほしいから。この生活が楽だからって続けるわけにはいかないなって思ってます。昼の仕事で稼ぐことがどんなに大変か、わかってるつもりだから、旦那サンが早く帰りたいって思うような家でごはん作って待っていたいです」

プロフィール
小室友里 小室友里
1975年7月28日生まれ。獅子座O型。
18歳でグラビアデビュー。AV女優として4年間活動した後、女優兼ライターに転身。現在は映画、舞台、執筆、講演会を中心に活動中。趣味は自転車に乗ること。

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