レディコミ人生劇場
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第8回『甘い蜜』の巻
みんなどーだい、元気かい? 未明は最近ちょっと不満があるのさ、それは最近のレディコミにちょっと元気がないこと。エッチエッチってマスコミに騒がれるのがイヤになっちゃったのか、単に作家が息切れしているのか。なーんか昔程の元気が業界に感じられないんだよね。家族ものとかが流行っちゃってさ。
 そりゃね。それはそれでいーと思うのさ。世の中不況だし、女の仕事もないしで、結婚夢見てしまうかもしんないわさ。でも、不況だから結婚したいわけー? 自分のセックスやなんかを見極めもせずに、ただ安全に生きて、そしていつか安全な家庭を手に入れたあとで、旦那を裏切ってアバンチュール楽しんで、素知らぬふりで、旦那の家の墓にはいっていくのかよー? そーゆーのあたしはキライなのさ。そんな嘘だらけの人生生きるなら、若いうちにうんと酷い目にあってドロドロのセックスして、もーいいやってくらい苦しんで。いつか出会う旦那様には本当の純情捧げたい~!
 で、そんなあたちの心の琴線に最近触れるのが、アムール『Comic Amour』(サン出版/毎月30日発売、定価490円)などで大活躍中の、水城ケイ先生。一昔前の(っていっても悪い意味じゃないよ)百花繚乱的な、良い意味での少女漫画の系譜をひく華やかな絵柄がまさに巻頭タイプです。登場人物がまた魅力的でね。必ず登場するものすごーい美少年の男は、顔に似合わぬ 筋肉質の割れたハラもってるの (だけどお尻はちいちゃい・)! こーゆーキャラの妖しくアンバランスな魅力、描かれるセックスの唐突なまでの暴力性が、私たちを不思議な官能ワールドにトリップさせるのさ。これぞレディコミ!ってね。
レディコミ
 今回のアムール4月号に掲載されている「甘い蜜」もGOOD。 ストーリーは幸せにくらす人妻が、なぜか売春婦たち3人に犯されているところから始まる(って、この設定のどこが『幸せな人妻』なんぢゃいっ)。彼女はどうやら昔、水商売の世界の男と付き合っていたらしく、その男と偶然に再会してしまったことから、こんな事態になったらしい。男は言う。「おまえの体はこんな責めを忘れられるものか。けれどまだ旦那にはばらさないでやる。人のものをとるほうが燃えるからな」。そして始まる人妻陵辱の数々。主人公の人妻は、いけない、いけないと思いつつ、快楽にまけていつも呼び出しに応じてしまうの。悪い男とわかっているのに、申し分のない夫を裏切ってまで、別れられないでいる女。いいねー、こ・れ・ぞレディコミ!
 3P4P、バイブ責め。二穴責めなんてあたりまえって感じでページは埋め尽くされます。私的には繁華街での露出プレイに燃えましたね、女が全裸のうえにSMの拘束具とバイブを装着され、コート1枚だけ羽織って連れ回されるやつ。でもこれでなんて終わらない。女の様子はやがて行き交う人々にばれ、女は衆目の前でバイブでイカされ、失神してしまうのよ。いいねー。こんなの、漫画でないと体験できんもんね。
 このあと、この地獄カップルがどうなっていくかは、漫画を見てのお楽しみ。でもさ、こーゆーの見て、性ってなんだろ、人間の尊厳ってなんだろって考えるのは大切だよ。そーゆー深いことを考えるおかずにも水城作は絶好! ハンパじゃないハードさで、私たちを酔わせてくれるからね。
 季節はもう春。春に酔わずになんの人生ーーー!ってことで、是非みんな今月もレディコミ三昧、エッチ三昧楽しんでちょーだい!
■さかもと未明
OLから漫画家へ。レディースコミック、エッセイ等各誌で連載を持ち、最近「文學界」で小説デビューも果たす。著作は「ゆるゆる」(マガジンハウス刊)「だって幸せになりたいんだもん」(朝日ソノラマ刊)等多数ありのスーパーお姐さん。