レディコミ人生劇場
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第7回『ラブパートウォッチング』の巻
今年の冬は寒いねぇ。みんな、風邪ひいてない? 気をつけてもう2か月頑張ろうね!春はもうすぐそこだよ!  さて今月は、あたちの友達でもある「もろおか紀美子さん」の、『ラブパート ウォッチング』を紹介するよ。かつてミュージカル女優として一度はスポットライトをあびた玲奈は、その日ヌード写 真集の撮影に挑んでるの。彼女は出演家であった東山に見初められて女優デビューし、公私ともに東山の秘蔵っ子として可愛がられていた過去があるの。けれど愛と喜びにおぼれてしまった彼女は、すぐに女優としての自己管理ができなくなってしまったらしく、いまや仕事を干された状態で起死回生のヌードに挑んでいる。そんな彼女にカメラマンは言うの。「本気でイケ! そしたら男はこんな女を抱きたいと悶々とするのさ」「落ち目のミュージカル女優から、思い切り脱皮しろ!」「次はこのレンズを通 して輝く女になるんだ!」
 なんだか奥の深いセリフよね。女って、自分のセックスが何かなんて分かっていない。多分、ヌードになったりする本物の女優さんたちだって、エロスが何かなんて分からずにやってるんじゃないかしら。けれどその分からない何かに近づこうと。ほんの少しの真実をつかみ取ろうと足掻き、もだえる女の姿は見るものを感動させるわ。私は今回の暴騰のシーンに凄く惹かれたな。
 玲奈はかつての恋人東山に抱かれていたときも言われていた。「まだ自己を解放していない。もっと全身で感じて、自己を解放しきれてこそ、舞台から客を引きつけるフェロモンが出てくるんだ」ってね。
 そうかもしれない、と私も思ったわ。なんちゅーか、ただエッチするだけだったら女はみんなやるんだけど、自分のプライドを捨てて、裸の心で男に抱かれることのできる女がどれだけいるんだろうって。私だって、そんなことできてるかわからない。玲奈が女優としてつまずいてしまったのは、半端に自分を守る気持ちがあったためや、自分の肉体への過信があったせいかもしれないよね。セックスそのものに多分その人の生きざまが現れてしまうんだろうな。本当に裸の心で相手に抱かれるためには、無私にならなくちゃいけない。徳をつまないとできないんだろうな。ウーン。 セックスって本当に奥深いのだよ。
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 そして、撮られる事で玲奈の心には変化が現れる。玲奈はヌードで成功を捨てて、再び舞台の端役のオーディションに挑む。端役からでもいい、もう一度舞台に挑まなければ私は負けだって思ったんだ。かくてかつて自分をすてた東山に再度のチャンスを与えられ、早くとして再び舞台に立つ玲奈。でもその姿は、ただのシンデレラとしての主役スポットライトを浴びていた彼女より、ずっと輝いているようにあたしは思ったのです。なんか、こういう純粋な女の子って、凄く感動的。
 もろおかさんの描く漫画の女の子ってさ、みんな純粋なんだよね。彼女ってね、すんごく可愛くて、まさに少女漫画から抜け出たような人なの、縦ロールもカールした髪に、フリルの付いたブラウスなんて着てて、ものすごいイギリス好きなんだよね。イギリス行くっていう、夢みたいな生活を実現している人なんだ。まさにそんなダークブラウンでロングヘアーのイギリス青年をつかまえて、恋愛したりしてるんだよ。これは本当の話! 普通はさ、そういうの夢見ても、漫画で書くだけで終わってしまうじゃない? 彼女は漫画という 武器を手に入れて、漫画で描きたかった世界を、さらに実現にしてしまったんだ。これは凄いことだよね。彼女は高校を卒業してから一度、銀行に就職したんだよ。それが夢を諦められなくて、さる先生の所に弟子入り。たくさん頑張って、デビューした人なんだ!
 みんな、夢はね、本当に望めば叶うことがある。うんと純粋に行動できたら、叶う時があるんだ。今まで私が出会った「夢を叶えたひと」はみんな共通 して「純粋で心が直」。神様はそういう人を見てくれているんだな、私ももっと素直になりたいなって、心から思ったよ。ね、みんなも頑張って!神様はきっと見ていてくれるよ~!
■さかもと未明
OLから漫画家へ。レディースコミック、エッセイ等各誌で連載を持ち、最近「文學界」で小説デビューも果たす。著作は「ゆるゆる」(マガジンハウス刊)「だって幸せになりたいんだもん」(朝日ソノラマ刊)等多数ありのスーパーお姐さん。