カシコイおもてなし
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私と仕事とどっちが大事?(2/2)

今の時代に起きていること

といったように、男女の違いが私の中でかなり整理されてきたのですが、ここまでは前振りみたいなものです。
「今までの男女はこういう傾向が強かった」という話。

  どうやらここに大きな変化が生じてきているのです。
あんまり世代論は好きではないのですが、若い世代と話していると、「えっ、そんなことが起きているのか」と思える話が出てくることがあります。
20歳そこそこの若い男の子から、70代のおじいちゃんまで、広い世代を相手にしている風俗嬢の皆さんだと、世代差があることに気づいているかもしれません。
その世代の特徴を見極めて接客することが望ましい。

  その世代差は「いつの時代でも、若い世代はそうだった」というものもあるわけですが、決定的に違ってきている点があります。

  ちょっと前に聞いて驚いたのは「僕と仕事とどっちが大事なの?」ってセリフをつきあっている女性に言う若い男たちがいるって話。
これって、私らの世代では、女子のセリフだと決まっていたわけですよ。

  私も言われたことがありますが、「仕事に決まっているだろ」と答えておしまいです。
もっと気の利いた答え方がありそうですが、こういう質問をしてくるだけで、「こいつはもういい」という気分になりますから、気の利いたフレーズを考える気にさえならない。

  こういうセリフを言われて困らされることが好きな男たちもいそうですけど、私は思い切り苦手です。
まして、自分でこのセリフを言うことは想像もできないです。
男のメンツとして言わないだけじゃなく、発想がない。

  たとえばラブホに朝までいて、彼女は仕事に出かけなければならないのに、まだイチャイチャしたがったら、「早く仕事に行け、遅刻するだろ」と叱ります。

  私らの世代の多くはそうだと思います。

  続きます。

プロフィール
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。 イラスト = 友沢ミミヨ

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