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移動する風俗嬢たち(1/2)

カシおもここまで

原発事故特別仕様の内容が続きます。

今この国が陥っている混乱は、すでに震災ではなく、原発事故が大きな原因です。
震災の傷跡も残っていますが、復旧が遅れているのは原発事故のためです。

そのことが被災地に行ってよくわかりました。
前回書いた小名浜のソープランドを取材してきました。
他の雑誌で取材したことをここで詳しく書くわけにはいかないですが、ムチャクチャ厳しいです。

被災地・小名浜の歓楽街の今

小名浜はいわき市の港で、ここに県内最大の歓楽街があって、17軒のソープランドがあります。
私が行った時には6軒の店が営業を再開していました。
ホテルが営業していなかったため、デリヘルも営業していなかったのですが、こちらも再開したところ。

 ここだけ見ると、「よかった、よかった」という話ですが、全然楽観はできない。

今はまだ再開した店が少ないので、なんとかなっていますが、すべて復活すると、
やっていけないのではないかと店のオーナーが言ってました。
そのくらい客がいないし、女の子がいない。

再開した店には、他の店の子たちも面接に来ていますが、それでも人が足りない。
原発に脅えて女の子たちは県外に逃げてしまっていたり、震災のショックから立ち直れていなかったり。

 話を聞かせてくれたソープ嬢によると、「友だちは一人も残っていない。
全員、県外に脱出しました」とのことです。

 店のオーナーは「地震ではなく、原発のせいです」とはっきり言ってました。

 風向きのため、第一原発から近いにもかかわらず、いわき市はさほどひどくは汚染されていないのですが、
県外の人間からすると、福島というだけで敬遠する。
また、今なお事故が収束していないため、いつまた放射性物質が飛び散るかもしれず、
その時にいわき市まで飛んで来ない保証はない。

このソープ街には近くの温泉街の客も来るのですが、この温泉街のホテルはすべて休業です。
客が来ないですから。
これがいつまで続くかもわからない。

かといって、町を出る勇気がない人たちもたくさんいます。

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