突っこませていただきます!
第6回

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久しぶりのPV撮影に燃えました!の巻
一年ぶりに「PV(プロモーションビデオ)」なんてものを撮ったコムロさん。 なにやらそこで開眼(?)されたようで……
そのへんのお話でも聞いてみましょうかねぇ~。
小室カット
ど~もっ。ρ(⌒◇⌒)ノ
 そうなんですよぉ~。4枚目CD「キミを想うと……」(MOOVe RECORDS)の時以来のPV撮影でした。
 前回ちょこっと宣伝させてもらった「好色文化村」というイベントのオープニングに使うPVだったんですけどね、初めはもともとある素材(「キミを~」の時に撮ってあった素材や持っていた写真)を使って作ろうとしていたんですけど、ど~もいかんせんイメージが合わん。つうのは、「キミを~」ってすごく重いんですわ。曲調も重ければ伝えている内容も重い。「キミを想うと切なくなって伝えたい想い溢れ出す…」ですよ? それに合わせた映像を撮っているからやっぱりちょっとヘビー。これをナイトイベント、しかも好色文化村っちゅう、かなりマニアック(全裸でアコースティックライブやってた……)なイベントのオープニングで使っていいものか? と、スタッフ一同意見が一致しまして。だったら『撮っちまえ!!!』と今回のPV撮影になったわけです。
 お金もない、時間もない中の撮影なんで、ほとんどがゲリラ。いや、全部ゲリラ(笑)。初日は渋谷駅近くの線路脇で、二日目は夜中の首都高、最終日は横浜中華街と桜木町で撮りました。
 やっぱり、「何かを作る」っていいね~。みんなで一つのものを作るって感覚、あれは経験した人でないと味わえない快感だよね。今回みたいに映像じゃなくても、例えば体育祭のゲートを作ったり、公演に向けて毎日稽古したり、コンサートで「LALALA……」を大合唱したり。なんかさ、一つの『時空間』を作った! って感じ、しない? 大げさにいえば、2003年7月O日、私はこの時間を生きてたんだ! っていう証、っていうのかな。

世の中さぁ、みんな一人っきりじゃん。みんなが孤独を感じながら、誰かにすがりたかったり頼りたかったり、でもそれってなかなか表に出せなくて、外っ面の自分と内に存在する本当の自分とが葛藤をしながら生きてる。どんな時代に生きてもそうなんだろうけど、ホントの自分でいられたら、ホントの自分を相手に伝えることが出来たらどんなに楽になれるだろうって。
 何かを作るための時間、作業、工程、思考、そして苦悩。そいつらって、知らない間にホントの自分をさらけ出してくれちゃうんだよね。逆に言えばホントの自分を出さないと本物なんて作れないし、作品を観たり、聴いたり、読んだりした人にも何も感じてもらえない。ホントの自分が作品の中にいなくちゃ、他人の心を揺さぶることなんてできないもの。
 まぁ、観客側のことは置いといて、さらけ出されちゃった自分に焦点を合わせませう。
 知らない間に作品に注ぎ込まれちゃった見も知らない自分に、こんな私もいたんだってことに気づかされる。全部が終わって、自分たちが作った映像、芸術、時空間を見る。ものすごい爽快感がある。それって『解放』なんじゃないかな。他人に対して、今まで隠してきた自分の解放、存在すら知りえなかった自分自身の解放。物を作るって、自分自身の解放作業なんだよね。だからやってる途中はすごく楽しくて、それでいて苦しくて、辛い。終わった後はどうしようもなく脱力して、でもそれが心地好い……。
 今回、初めて「B-Style」をやらせてもらったんだ。簡単に言うと「B-style」ってはっきりとした意味合いってのが浸透しきっていなくって、一番有力なのが「BAD」のBらしい。
HIPHOPでブレイクダンスをするダンサーたちを通称「B-BOY」と呼んでいたことも関係あるみたい。その人たちが着ていた寝巻き系でラフだけどイイカンジなファッション。「B」ってそんな感じ(苦笑)? しかし、はっきりいって「なんちゃってB」もいいところ。
 このPV撮影では、衣装を決めたり構想を練ったりする段階から参加させてもらったんだけど、ど~しようもなく不安だったんだよね~。だって、やったことないし、なにより「似合わん!!」と思ってたから(笑)。そういう悩み、疑心をディレクターに全部ぶつけて。そしたら一言「俺を信用しろ!」って。「絶対大丈夫だ」って。そういう一言がとてもありがたかったし、嬉しかった。でもこの一言をもらうためには、相手に内に秘めてる弱い自分を見せないとだめなんだよね。弱い自分を見せるのは勇気がいる。でもそれを乗り越えられた時、また一つ強くなれる自分がいる。そして新たな発見がある。
 たった1分の映像だったけど、そこにいる自分はとても斬新で、今までのコムロじゃないコムロがいて。なんかね、感動しちゃいました。こういう世界で生き続けていけたらいいなぁ、なんて思ったりして。機会があったら、ぜひ皆さんにも観てもらいたい、そんな作品に仕上がりました。機会? う~ん、なかなかないけど(苦笑)。でも、もったいないからチャンスがあったらどんどん表に出していくつもり。
 こんな気持ちのいいことがあるのなら、もっと若い時に知っておきたかったぜ、ニャロメ(笑)。今年の夏はいいことありそうだなぁ~。
それじゃ、また来月!!
プロフィール
1975年7月28日生。O型。
幼い頃にアニメを抑制されたためか、大人になってからアニメにどっぷりと浸かっている。
好きなジャンルは宇宙を扱ったもの。「ガンダム」シリーズ、「銀河英雄伝説」、他多数。
かと思えば「ガンバの冒険」も愛していたりする満27歳。
愛機はPCV-RX51。調子悪し。
プロフィール